ひとつのインターフェースで完結できるチャット
今回の導入により、全国約4万人の営業職員がタブレット「DL Pad Ⅱ」を経由してチャットできるようになった。チャットボットも有人チャットもまとめてひとつのインターフェースに表示される。さらに、営業職員の電話番号や社員番号がキーとなり、チャットおよび電話の応対履歴が全てFastHelp5上で一連の履歴として管理されており、オペレーター側で状況がまとめて把握ができる。
記録された照会内容は、件数が多いものを適宜チャットボットの応対パターンとして追加学習させていくことで、照会業務のさらなる省力化を進めるべく運用している。また、
FastHelp5の機能面を活用し、オペレーターの後処理時は
FastHelp5内にナレッジをFAQとして蓄積し共有しているため、その内容を活用することで後処理や回答も速くなり効率的に業務が行える環境といえる。
トライアル期である現在(2020年2月)は一部の営業オフィスで電話・チャットボットのみでテスト稼働をし、1日400件ほどの照会業務が行われている。電話とチャットボットの割合は7:3ほどとなっている。チャットボットは2020年3月末に全拠点に展開しており、約10倍の問い合わせとなる見込みである。
一見すると、チャットボットはあまり使われていない印象に見えるが、岩元氏は「有人で対応が必要になる複雑な問い合わせが多く電話での割合が高いことは想定済みで、設計通りの利用状況となっています。
有人チャット稼働の計画も推進中で、今後デジタルネイティブ世代が増えてくれば、チャットの割合はさらに広がってくるはず」と分析している。
チャットを通じて照会業務が進み、待ち時間や担当者の勤務時間など時間的制約が緩和されるという面で利用者の評判は良い。
「事務担当者の業務負担が軽減されることで働き方改革にもつながるだけでなく、接客などに事務担当者のリソースが割り当てられるなど、お客さまサービスの向上にも貢献する取組みになると考えています。」と岩元氏はつづけた。
テクマトリックスについては、「サジェスト機能(図2)などチャットボットが持つ機能を
FastChatに実装いただいただけでなく、チャット時のアイコン変更だけで違和感なくボット・有人どちらのチャットも使い分けられるようなインターフェース改善など、大小様々な要望に対し一緒になって取り組んでいただくことができ大変満足です」と岩元氏は評価する。
また、必要な情報が柔軟に抽出できるなど、照会内容の傾向分析に活用できる
FastHelp5の利便性も高く評価しているという。
■図2:FastChatに実装された、サジェスト表示イメージ