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導入事例LINEチャットサポートを導入、24時間365日の顧客対応を実現  ~LINEチャット&AIチャットボット導入効果について~

お客様

日本コープ共済生活協同組合連合会様

カテゴリ

  • コンタクトセンターCRM

関連サービス/製品

日本コープ共済生活協同組合連合会(以下、コープ共済連)では、2015年から利用しているFAQナレッジシステムFastAnswerに、2017年から FastHelp のトークスクリプトオプションを連動させ、一連の動作で受電処理を完結できる仕組みを導入。紙のトークスクリプトからの脱却と大幅な処理時間短縮を実現した(※)。

さらに、2018年にLINEチャットを導入することにより、オペレーターの負荷軽減、顧客を待たせない一次回答を実現している。今回は、その取り組みについて詳しく伺った。


(※)FastAnswerFastHelp のトークスクリプトオプション連動による導入効果について、
詳細は、「平均処理時間(AHT)を30秒削減させることに成功 ~トークスクリプトとFAQナレッジの活用による実証~」でご覧いただけます。

組合員の「ふだんのくらし」への貢献を目指すコープ共済連

保障商品である「コープ共済」を取り扱う生協と日本生活協同組合連合会が共同で設立。共済事業を専門に行う生協連合会であるコープ共済連は、コープ共済を実施する150の生協(連合会)と全国労働者共済生活協同組合連合会(全労済)、日本生活協同組合連合会(日本生協連)が加盟している。(*1)。
コープ共済の加入者数は、前年度比101.8%となる約867万人(*1)におよび、コープ共済連は組合員の「ふだんのくらし」への貢献を目指して活動している。
*1:2018年3月20日現在


コープ共済連のコールセンターは、各会員生協共済部局で対応していた契約者対応をコープ共済連へ集中化することで、コープ共済全体のコスト削減及びサービス向上を目指して、2004年に28生協が参画して業務を始動した。2018年2月時点で145生協が参加している。

現在、コールセンターは札幌、仙台、那覇の3か所で運営されている。
業務内容は多岐にわたり、(1)一般の組合員からの各種手続き受付、(2)会員生協職員支援、(3)資料請求受付、(4)インターネット手続きのサポートデスク、これらインバウンド業務のほか、(5)契約の継続や促進を促すためのアウトバウンド業務や(6)LINEによる問い合わせ窓口などを行っている。(1)の会員生協フリーダイヤルへの対応が全体の8割以上を占め、その応答件数は年間200万件以上に及ぶ。

応答件数と組合員数から、現状では、年間4人に1人の割合でコールセンターに電話で問い合わせがある計算になることから、WEBやLINEでの問い合わせ対応の精度を上げ、受電数を削減していくことが課題になっている。

AIチャットボットを利用したLINEチャットサポートを開始

コープ共済連のコールセンターでは問い合わせ対応の利便性向上とオペレーターの負荷軽減のための取り組みを積極的に展開している。2018年には、AIチャットボットと連動したLINEチャットによる自動応答のサービスを開始した。

「サービス開始までの準備期間は約4カ月間でした」という川田氏。具体的には、5つの作業を行っていったという。


【1】AIに覚えさせるFAQの選定
コールセンターへの問い合わせで、件数の多いものを公式ホームページ上のFAQとして約270項目掲載しており、AIに覚えさせるFAQには、それを利用することにした。
末田氏は「すでに組合員向けに公開しているFAQを利用することで、短い期間で導入することができました」と話す。「我々は元々、コールのサンプリングをし、現行のFAQが問い合わせのトレンドとマッチしているかを定期的に確認し、追加や修正など見直しをしていたため、すぐに使えるFAQがあったので、FAQを0からつくりあげるのと比べると非常に労力がかからなかったのではと感じます」と川田氏も続けた。


【2】一問一答・シナリオの作成
AIに学習させるため、【1】のFAQを一問一答とシナリオに分類した。シナリオとは、相手(問い合わせ者)の投げかけに対し、複数の回答を提示し、問い合わせの真意を問うものである。

■図1:一問一答・シナリオの例

【3】LINEアカウントの準備
「サービス開始と同時にLINEのお友達を増やすため、郵送物に印刷できるよう、LINEアカウントは早めに発行しました」と川田氏。年1回定期発送している郵送物にLINEでの問い合わせ受付スタートの告知を同封し、組合員へ周知したが「印刷物なので、早めの準備が必要でした」と続けた。QRコードを掲載することで、登録へのハードルを下げ、多くの方に利用してもらうことにこだわったという。


【4】AIのチューニング
【2】のシナリオ作成で、投げかけに対する回答の選択肢の最後に「この中にはない」の選択肢を入れている。「この中にない」とは、つまり提示した回答の中に求める答えがなかったということなので、その場合は、管理者側のチャットボット管理画面の回答一覧から正しい回答候補を追加し、AIに学習させる。このチューニングをサービス開始後も随時行うことで、回答の精度をあげることができる。「AIを導入するうえで最も重要な作業です」と川田氏はいう。


【5】オペレーターへの有人対応トレーニング
コールセンターの対応可能な時間帯では、顧客の要望に応じて、チャットボットによる自動応答から有人によるチャットサポートへ切り替えている。そこで、オペレーターへの商品知識やシステムの操作方法のトレーニングを行った。チャットでは、電話と異なり回答内容が文章で残るので、話し言葉ではない文章の作成方法などの研修も行っている。


このような準備を経て、2018年8月にLINEチャットサポートを開始した。

FastHelp とLINEチャットサポートを連携させることで情報を一元管理、チャネル拡大でより利便性の高いカスタマーサポートを実現

「今回導入したLINEチャットサポートも、FastHelp  と連携しているため、チャットボットでの応対からオペレーター応対への切り替えも非常にスムーズです」と末田氏。

LINEチャットを利用した応対イメージ

■図2:LINEチャットを利用した応対イメージ

回答の入力画面も実際のLINEの画面UIと非常に似ているので感覚的に操作しやすく、応対履歴もそのまま残せるので、情報の一元管理が可能だ。


LINEチャットサポートの導入効果については、以下の3点をあげた。



【導入効果1】24時間365日対応が可能
24時間365日、時間や場所を問わずに問い合わせが可能となり、人ではとても対応できない時間や数の問い合わせ対応を人にかわってできるようになった。「同じことを人でやろうとすると、問い合わせのあまりこない時間にも待機しなければならないなど、非常に効率が悪い」と末田氏。

コープ共済連の場合、LINEチャットの終日でのリクエスト数は平均約300件(2019年1月平均)、多い日には約600件にも及び、うち、コールセンターの時間外のリクエスト数が約半数を占めるという。
「ちなみに、AIチャットボットの回答による自己解決率は80%以上に達しており、大きな成果を上げている」と川田氏は続けた。 

導入効果1

■図3:導入効果1

【導入効果2】チャネル拡大
電話以外の窓口として、チャネルを拡大することで、移動中など声をだせない場所でも対応することができるようになった。また、「ちょっと聞きたい」といった質問も気軽にできるようになり、顧客にとっても利便性があがる。


【導入効果3】インターネット手続きとの連動
問い合わせのなかには、インターネット手続きで完了できるものもあり、LINEチャットで手続き画面に誘導することで、効率的になる。「個人情報のやり取りをLINEチャットではしないことにしていますが、インターネット上の手続き画面をご案内することで、コールセンター時間外でも手続きを完了できます。電話以外の手続き方法を広めることにも役立っています」と話す。 

導入効果2・3

■図4:導入効果2・3

コールセンターはさらに進化を続ける

2018年8月のLINEチャットのサービス開始から約4カ月間で、約1万3千人ものLINE友達登録を果たしたコープ共済連のコールセンター。多くの受付対応を行う同センターに、最後に今後の展望を伺った。


川田氏は「今後は、IVRでの対応後、受付可能なオペレーターがいない場合にSMSを送信してネット手続きへと誘導することも検討しています。また、ホームページの資料請求フォーム閲覧者へWebチャットで呼びかけを行うといった機能の導入も考えています」と語り、チャンスを逃さない仕組みも積極的に取り入れていきたいと抱負を述べた。 
* 作成日時 2019年5月
* 記載の情報は2019年2月時点のものです



日本コープ共済生活協同組合連合会

設立:1994年(平成6年)
事業内容:コールセンター運営

お客様担当者

事務本部 コールセンター運営部 部長スタッフ

川田 昌彦 氏

事務本部 コールセンター運営部 部長スタッフ

末田 一人 氏

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  • テクマトリックス株式会社

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