FinTechとは?金融サービスの開発課題とテスト戦略 Vol.2
FinTechと称される次世代の金融サービスを素早くリリースするテストのベストプラクティスをご紹介する記事です。
はじめに
この記事では、FinTechと称される次世代の金融サービスの開発で知っておくべきテスト課題についてご紹介します。以前の記事では、FinTechと称される次世代の金融サービスの例やアーキテクチャについてご紹介しましたので、
気になる方は「FinTechとは?金融サービスの開発課題とテスト戦略 Vol.1」もご確認ください。
この記事は次のような方におすすめです。
- これから次世代の金融サービスを構築するために、APIの開発やAPIを利用するアプリ開発に関わる方
- 既に次世代の金融サービスの構築に着手していて、現状のテスト手法に課題を感じている方
知っておくべきテスト課題とは?
FinTechと称される次世代の金融サービスは、スマートフォンの家計簿アプリ、バックエンドの家計簿API、各種オープンAPIなどと連携して動作します。また、APIを利用するデータ連携では主にREST APIが用いられます。もし、これらのフロントエンドとバックエンドがテスト不十分なままAPI連携し、結合テストを実施してしまうと、エラーが発生した場合にどこに原因があるのかを突き止めるのが困難になります。そのため、各々の品質を十分に確保した上でAPI連携し、結合テストを実施するのがベストプラクティスであると言えます。
また、この例ではフロントエンドのスマートフォンのアプリケーションとバックエンドの家計簿APIは、それぞれ別のチームが開発を担当する並行開発が一般的です。このとき、APIの利用者(フロントエンド)とAPIの開発者(バックエンド)は独立してテストすることになりますが、この場合もさまざまな課題に直面することとなりますので、その一例をご紹介します。
フロントエンドのテスト課題
フロントエンドのスマートフォンのアプリケーションをテストする場合、バックエンドの家計簿APIとの連携が必須となります。このAPIを利用したテストを実施したいが、APIの開発が遅延しているなどのさまざまな理由で、APIを利用できるタイミングが限られてしまい待たされるというケースがよくあります。さらに、テストの内容によっては外部のAPIとも連携するユースケースもありますので、テスト時にも他社とのスケジュール調整が必要となります。そのため、バックエンドと同様の応答をするモックサーバー/スタブを自作するケースもありますが、応答のバリエーションが不十分であったり、メンテナンスに工数が掛かるといった課題が発生します。バックエンドのテスト課題
バックエンドのAPIを直接テストする場合、スマートフォンのアプリケーションから送信される電文をシミュレートするテストドライバーが必要となります。自作でテストドライバーを作成するケースも多くありますが、テストが不十分になりがちです。例えば、限られたパターンのデータでしかテストができていないケースや、アプリケーションのバージョンアップが頻繁にあるために、テストドライバーのメンテナンスが追い付かないケースがよく起こり得ます。さらに、複数のAPIを想定した順番で呼び出した際の整合性を確認するためのシナリオテストをプログラミングで作成するのは困難です。また、そもそも自作のテストドライバーではテストを自動化できないので、CI/CDパイプラインに組み込んだテストもできません。
また、APIのテスト時にも外部のAPIとの連携が必要なユースケースも考えられます。このとき、APIのテストを行うためだけに他社とのスケジュール調整が必要となりますので、APIを利用できるタイミングが限られてしまい待たされるというケースがよくあります。
まとめ
本記事では、FinTechと称される次世代の金融サービスの開発で知っておくべきテスト課題についてご紹介しました。次の記事では、これらの課題を解決するソリューションについてご紹介します。PICK UP
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