FinTechとは?金融サービスの開発課題とテスト戦略 Vol.1

FinTechと称される次世代の金融サービスを素早くリリースするテストのベストプラクティスをご紹介する記事です。

はじめに

FinTechと称される次世代の金融サービスを素早くリリースするために採用すべきテストのベストプラクティスは何なのか?ここでは、金融系APIやFinTechアプリケーションを開発する際のテスト課題と、APIテスト自動化/サービス仮想化ツール「SOAtest/Virtualize」を用いたソリューションについてお届けします。

次のような方におすすめです。
  • これから次世代の金融サービスを構築するために、APIの開発やAPIを利用するアプリ開発に関わる方
  • 既に次世代の金融サービスの構築に着手していて、現状のテスト手法に課題を感じている方

FinTechとは?

FinTech(フィンテック)とは、金融(Finance)と技術(Technology)を組み合わせた造語で、金融サービスと情報技術を結びつけたさまざまな革新的な動きを指します。

FinTechは、キャッシュレス決済・保険・財務・資産運用などさまざまな分野で幅広く利用されています。FinTechではこれらの金融サービスがオンライン化されており、時間や場所を問わずいつでも利用できることが大きな特徴です。さらに、業務処理に人の手が介在しないため、サービスの即時性が高まります。従来から存在するサービスであっても、利用者にとって利便性の高いサービスとして提供することができます。

また、FinTechでは金融系以外の別の業種と連携し、新たなサービスを創出する取り組みも行われています。業界によってはIoTやAIなどのテクノロジーと組み合わせて、分析したデータを基に最適な提案を行うようなサービスにも活用されています。

FinTechのサービス例

FinTechという呼称は、次世代の金融サービスを総称したものですので、その活用例は多岐にわたります。
以下では、そのサービスの一例をご紹介します。

■家計簿アプリケーション
銀行口座やクレジットカード、電子決済サービスなどと連携して過去の収支の情報を収集することで、自動で家計簿を作成することができます。従来のように、収支の一つ一つを書き込んで作成する手間がなくなります。また、銀行口座やICカード、各種ポイントなどと連携することができますので、残高やポイント数などお金に関する情報を一元管理することも可能です。

■デジタルバンキング
振込・預金・決済・融資といったさまざまな金融サービスを、パソコンやスマートフォンで利用することができます。実際に銀行の窓口やATMに足を運ぶ必要がなくなり、かつ、24時間365日いつでも手続きを行うことが可能です。口座情報もすべてオンライン上で確認することができますので、預金通帳で口座の出入金を確認する必要もなくなります。

■モバイルPOS
クレジットカードやICカード等での支払いの際に、スマートフォンやタブレットを用いた決済を可能にするサービスです。従来ではクレジットカードで決済するために、店舗側で専用の決済機器を導入する必要がありましたが、モバイルPOSを利用することで、どの端末でも決済が可能となります。店舗側としては、専用の決済端末を導入する必要がなくなりますので、機器の導入コストを削減することができます。

FinTechのアーキテクチャ例

FinTechと称される次世代の金融サービスのアーキテクチャとして、家計簿アプリケーションを例に用いてご紹介します。

家計簿アプリケーションは、ユーザーが家計簿を操作するためのスマートフォンのアプリ、バックエンドの家計簿API、各種オープンAPIなどを連携させて1つの金融サービスとして提供されます。このような金融サービスを開発する場合、スマートフォンのアプリや家計簿APIを新しく開発する必要がありますが、銀行残高やクレジットカードの利用状況などに関するデータは外部の各事業者が公開しているオープンAPI(銀行API、金融APIなどと総称されることが一般的)を利用するだけで家計簿アプリに統合できます。利用するオープンAPIに応じて、家計簿アプリケーションにさまざまな機能を持たせることが可能です。

また、これらのオープンAPIは、所定の手続きを行うことで自由に利用することができます。APIを活用することで、家計簿アプリケーションの開発者は一から金融サービスを開発する必要が無くなるため、開発工数の削減に繋がります。また、異業種のサービスをAPIで利用することもでき、新たな価値を持たせたサービスとして提供することも可能となります。

まとめ

本記事ではFinTechの概要についてご紹介しました。次の記事では、このような金融サービスのAPIやAPIを利用するアプリケーションを開発する際に知っておくべきテスト課題についてご紹介します。
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