導入の背景:医療機関のランサムウェア被害が増加 バックアップシステムの見直しを図る
1963年に設立された公益財団法人脳血管研究所 美原記念病院。
現在、脳神経疾患の専門病院として脳神経内科・脳神経外科を中心とし、パーキンソン病といった神経難病の診療にもあたっている。
また、附属施設の介護老人保健施設や訪問看護ステーションやグループ内の診療所と連携し、脳神経障害の急性期治療、リハビリテーション、そして家庭復帰まで一貫して治療にあたることを目的としている。同院は、地域の福祉・健康増進、医療発展になくてはならない存在だ。
超高齢化社会が進む中、地域における脳神経疾患の専門病院として、同院の果たす役割はますます大きくなっている。治療の根幹となる医療継続の観点で、同院が強い危機感を抱いたのが、国内医療機関におけるランサムウェア被害の続発だ。
医療情報システムがランサムウェアに感染することで、医療の継続性における重要な問題が2点あると、脳血管研究所 法人本部 経営管理部 システム管理課 課長補佐 礒部 智行 氏は話し、説明する。
「1点目は、電子カルテのデータが暗号化され閲覧・使用できなくなること。2点目は、システムの復旧までに数カ月を要するケースがあること。問題解決に向けて、2022年に複数のベンダーにランサムウェア対策の強化を目的にバックアップシステムの提案を依頼しました。医療機関のランサムウェア被害がニュースで取り上げられるなど、脅威が身近に迫っていると感じたのがきっかけでした」
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