リスクの可視化に日々取り組み、収益向上に向けたALMの高度化に貢献
リスク管理統括部のミッションの一つに、ALM(資産と負債の統合的管理)の高度化があります。資産の安全性と流動性を維持しつつも、収益性の向上を図るためにリスクの可視化に日々取組んでいます。生命保険は長い信頼関係に基づくビジネスでもあり、結果として負債(保険負債)のデュレーションが長期に及ぶことから、経済価値ベースのソルベンシー評価の流れに合わせてデュレーションギャップによる金利感応度を低減すべく、資産のデュレーションを引き続き長期化する必要があります。一方、現行会計制度の枠組みの中で金利急上昇に対するリスクの備えも行う必要があります。
そのため、機動的な対応ができるように常に状況を可視化しておく必要があります。具体的には、全体のデュレーションだけではなく、資産と負債のそれぞれの年限のキャッシュフローのマッチング状況を一元的に見ながら合わせていく必要があると考えています。また、不測の事態に備えたストレステストの実施や、今後の金利の動向をどのように想定してシナリオを描いていけばよいかといった検討も必要です。このような背景もあり、従来に比べてより高度なリスク管理手法の一つであるGPS(グリッド・ポイント・センシティビティ)の算出や、市場リスクの予想最大損失額の指標でもあるVaR(バリュー・アット・リスク)においてモンテカルロ・シミュレーション法による日次での算出を要件とし、最終的にテクマトリックスが提供する
TradingVaR(市場リスク管理システム)と
ALARMS(ALMシステム)の導入を決定しました。
決定の背景には、主に4つの理由がありました。
① ALARMSのトライアルができたこと
直感的でシンプルな操作性が、ユーザー視点に近い印象を持つことができた。
② 安定したインターフェースとデータ連携
TradingVaRで取り込んだポジション情報をALARMSに連携して利活用できる。
③ 実績あるパッケージベースの安心感
汎用的な機能が揃っていることに加え、個別の要望もオーダーメイドできる。
④ 要望に対するスピーディーかつ的確な提案
TradingVaRにおけるリスクカテゴリー別のVaR算出やマーケットシナリオの表示機能の追加、ALARMSにおける外貨金利への細かな設定を可能とする機能の追加を行った。
要望を的確に把握し、レスポンス良く提案してもらえたことが最終的な決め手となりました。実際に導入プロジェクトとその後の対応を通じて、その判断は正しかったと認識しています。また、テクマトリックスの金融専門家による忌憚のない意見を聞くことができることも、とても心強く感じています。