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導入事例新しい時代の変化に合ったリスク管理の変革とシステムの活用 富国生命保険が求める資産・負債の可視化とALMの高度化

~創造性豊かなリスク管理と収益シミュレーションの実現~

お客様

富国生命保険相互会社様

カテゴリ

  • 金融

関連サービス/製品

「お客さま基点」を原点に、対面と金融機関窓口の二本柱で商品提供

富国生命保険相互会社は1923年に富国徴兵保険相互会社として創業して以来、90年超の歴史を持つ保険会社です。万一に備えるための保障をメインとしつつ医療や介護など第三分野も早くから取り扱っており、「お客さま基点」を原点に最適な保障内容を提案するお客さまアドバイザーによる対面での販売と、グループ会社であるフコクしんらい生命保険による金融機関窓口での販売の二本柱で商品を提供しています。

リスクの可視化に日々取り組み、収益向上に向けたALMの高度化に貢献

リスク管理統括部のミッションの一つに、ALM(資産と負債の統合的管理)の高度化があります。資産の安全性と流動性を維持しつつも、収益性の向上を図るためにリスクの可視化に日々取組んでいます。生命保険は長い信頼関係に基づくビジネスでもあり、結果として負債(保険負債)のデュレーションが長期に及ぶことから、経済価値ベースのソルベンシー評価の流れに合わせてデュレーションギャップによる金利感応度を低減すべく、資産のデュレーションを引き続き長期化する必要があります。一方、現行会計制度の枠組みの中で金利急上昇に対するリスクの備えも行う必要があります。
そのため、機動的な対応ができるように常に状況を可視化しておく必要があります。具体的には、全体のデュレーションだけではなく、資産と負債のそれぞれの年限のキャッシュフローのマッチング状況を一元的に見ながら合わせていく必要があると考えています。また、不測の事態に備えたストレステストの実施や、今後の金利の動向をどのように想定してシナリオを描いていけばよいかといった検討も必要です。このような背景もあり、従来に比べてより高度なリスク管理手法の一つであるGPS(グリッド・ポイント・センシティビティ)の算出や、市場リスクの予想最大損失額の指標でもあるVaR(バリュー・アット・リスク)においてモンテカルロ・シミュレーション法による日次での算出を要件とし、最終的にテクマトリックスが提供するTradingVaR(市場リスク管理システム)とALARMS(ALMシステム)の導入を決定しました。

決定の背景には、主に4つの理由がありました。
① ALARMSのトライアルができたこと
直感的でシンプルな操作性が、ユーザー視点に近い印象を持つことができた。
② 安定したインターフェースとデータ連携
TradingVaRで取り込んだポジション情報をALARMSに連携して利活用できる。
③ 実績あるパッケージベースの安心感
汎用的な機能が揃っていることに加え、個別の要望もオーダーメイドできる。
④ 要望に対するスピーディーかつ的確な提案
TradingVaRにおけるリスクカテゴリー別のVaR算出やマーケットシナリオの表示機能の追加、ALARMSにおける外貨金利への細かな設定を可能とする機能の追加を行った。
 
要望を的確に把握し、レスポンス良く提案してもらえたことが最終的な決め手となりました。実際に導入プロジェクトとその後の対応を通じて、その判断は正しかったと認識しています。また、テクマトリックスの金融専門家による忌憚のない意見を聞くことができることも、とても心強く感じています。 

ユーザーはリスク管理統括部のほかに、運用資産管理部や財務企画部など複数部門

ユーザーはリスク管理統括部のほかに、運用資産管理部や財務企画部など複数の部門にまたがります。将来にわたる利回りの予測には当社の会計ルールをきちんと反映した形でのシミュレーションが必要となりますが、これまで一部手作業で行っていたこの作業もALARMSの導入により全てシステム化されたことでユーザーも大変喜んでいます。また、当局への報告には間違いがあってはいけませんが、導入時にあらかじめ様々なケースを想定したテストを実施して下さっていたことに加え、ユーザーテスト時にも疑問点について丁寧な説明を受けており、安心して利用することが出来ています。 

創造的な検討や取り組みに活用し、収益とのバランスの中でリスクを管理

規制対応については、経済価値ベースのソルベンシー評価に注目しています。また、金利水準が急激に変化した場合に、既存の保険契約の解約の急増や販売計画の見直しといった事象が起きる恐れがありますが、将来的にはこのような動的なキャッシュフローの変化に備えた一元的な管理ができるようにしたいと考えています。

リスク管理の歴史は起きてしまった危機への対処といった発生ベースの対応がこれまでの主な流れでしたが、本来は未然に回避すべく次にどのようなリスクが起きるかということを常に想定しておく必要があり、VaRの算出だけにとどまらず、様々な角度での分析を考えています。そのため、システムで保持しているポジション、マーケット、ボラティリティといったデータを取り出し、創造的な検討や取組みに活用しています。

収益性を高めるために、リスクをどこまでとるか。マーケットは生き物で教科書的な動きばかりではありません。データを可視化し、経営判断に役立つデータの提供に知恵を絞っていきたいと思っています。

昨今、リスク管理のプレゼンスは非常に高まっています。リスクをどう減らすかというブレーキ役としての役割にとどまらず、ERM(全社的リスクマネジメント)的な視点で全体的な収益とのバランスの中でリスクを管理していくための議論が必要であり、まだ過渡期にある状況とも言えます。今後、部門横断的に取組む機会は増え、システムの活用場面もますます広がっていくことが予想される中、テクマトリックスの持ち前のスピーディーかつ的確な提案力に大いに期待しています。

システムフロー図

富国生命保険相互会社

「ご契約者の利益擁護」と「社会への貢献」という創業以来の経営理念に基づく「お客さま基点」をスローガンに掲げ、顧客の目線に立った価値観を追求することで「安心」を提供できる会社を目指している。また、自主独立路線の下で徹底した経営の差別化に取り組み、企業としての質の向上を図るとともに、経営の健全性を高める努力を続けている。
創業:1923年
本社所在地:東京都千代田区内幸町2-2-2
事業内容:個人・企業向けの保険商品の販売と保全サービス、財務貸付・有価証券投資など

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  • テクマトリックス株式会社
    東京本社

    ビジネスソリューション事業部
    ビジネスソリューション営業部
    金融システム営業課

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