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導入事例「Jtest」のアプリケーションカバレッジ機能を導入し、システムマイグレーション後の結合テストの品質評価と効率化を実現

お客様

TIS株式会社様

カテゴリ

  • ソフトウェア品質保証

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デジタル変革とビジネス効率化を支援する、ITサービスプロバイダーであるTIS株式会社では、自社で展開しているモダナイゼーションサービス(Xenlon~神龍 モダナイゼーションサービス)でマイグレーションしたプロジェクトに対する結合テストのカバレッジ取得に、Jtestのアプリケーションカバレッジ機能を採用しました。
アプリケーションカバレッジ機能の導入により、結合テストでの品質評価およびエビデンスとしての利用、不具合発生時の稼動実績の確認など、幅広い範囲で活用し効率化を実現しました。

TIS株式会社 水野 友太 副部長、葛谷 憲彦 部長

(左から)水野 友太 副部長、葛谷 憲彦 部長

Jtestの使用感や活用方法について、葛谷様、水野様、篠原様、米澤様にお話を伺いました。

TIS Xenlon~神龍 モダナイゼーションサービスとは何ですか?

─── 貴社で提供されているモダナイゼーションサービス「Xenlon~神龍 モダナイゼーションサービス」について教えてください。

葛谷様:
システムのモダナイズアプローチには5つの手法があります。「リビルド」「パッケージリプレイス」「リホスト」「リライト」「リプレース」です。リビルド・パッケージリプレイスなどの、ビックバンアプローチによる再構築は成功すれば理想的ではあるものの、難易度が高く、長期間・高コストになることが特徴です。このため、プロジェクト難度が高く、中断するリスクもあります。一方で、リホスト・リライトなどのフェーズドアプローチは短期間・低コストで技術的負債を解消したあと、業務改善やDXを推進するアプローチ手法です。

Xenlon~神龍 モダナイゼーションサービスはリライト手法を活用したモダナイゼーションサービスです。レガシーな言語(COBOL、PL/Iなど)からJavaへのリライトを行い、短期間で安全確実なオープンシステム化を実現します。本サービスでは、弊社独自に開発した高性能マイグレーターを利用することで、リライトの適用率を最大化します。また、COBOLからのマイグレーション案件で問題になりがちな性能の劣化、保守性の低下に関しても独自の特許取得技術を用いることで、両面を担保しながらサービスをオープンシステム化することが可能です。
弊社サービスにおいては、COBOL 8MStep以上の大規模システムでのリライト実績もあるため、大規模なレガシーシステムからのオープンシステム化に関して安心してお任せいただけると考えております。

「Xenlon〜神龍 モダナイゼーションサービス」のポイント

「Xenlon〜神龍 モダナイゼーションサービス」のポイント

Jtestを採用したプロジェクトについて

─── 今回のプロジェクトの背景や目的、プロジェクトの規模を教えてください。

篠原様:
弊社が参画した某製造所プロジェクトは2022年度末にオープン化が完了し、現在安定して稼動しています。その実績をもとに、2022年10月から2023年3月にかけてPoCを行い、2023年4月から新たな製造所向けプロジェクトを開始しました。
このプロジェクトの目的は、製造業の主要プロセスを含む全社IT基盤を整備し、主要製造拠点を2025年度末までにクラウド基盤に移行し、顧客が保守管理できるようにすることです。これにより、全社IT基盤が整い、安定した保全要員が確保されることで、革新的な業務とIT改革を推進できるようになることを狙っています。

Jtestを導入した背景

─── Jtestのアプリケーションカバレッジ機能をご利用いただきましたが、なぜアプリケーションのカバレッジを取得する必要があったのでしょうか?

水野様:
今回はモダナイゼーションプロジェクトで利用しましたが、結合テスト(現新比較テスト)では品質評価および検証箇所のエビデンスとしてカバレッジ取得が必要でした。

─── カバレッジ取得にはOSSツールもあったと思いますが、有償ツールであるJtestを選択した理由を教えてください。

水野様:
今回のプロジェクトではDockerを活用してケースごとにコンテナを作成する前提としていました。過去のプロジェクトではJacocoを利用してきましたが、ケースごとに環境を変えた場合、カバレッジ収集が環境毎に必要であり、収集に時間を要することが予想されました。そのため、生産性向上を目的にツールを探し、Jtestにたどり着きました。
─── 仮にJtestを利用せず今回のプロジェクトを進めていたとしたらどのようになっていたと思いますか?
過去のプロジェクトではJacocoを利用されていたと伺いましたが、今回のプロジェクトでJacocoを利用していた場合どれくらいの工数が発生していたと予想できますか?

水野様:

Jtestを利用しない場合、過去利用していたJacocoを継続利用していたと思います。Jacocoの場合は各コンテナの実行結果のカバレッジレポートを個々に抽出して確認が必要になります。
今回は数百のコンテナを利用しているため、リグレッション期間を含め約1年間テストします。Jtestを利用しない場合、確認に多くの工数がかかっていたと予想され、約1年間で20~30人月程度がプラスで必要になっていたと思います。

─── 今回のプロジェクトではテストケース毎にコンテナを用意されていますが、そのように計画をした理由を教えてください。

水野様:
モダナイゼーションプロジェクトは短期間で実施することが基本です。そのためには、テスト環境を複数面構築して生産性を上げる必要がありました。
通常サーバー環境を大量に構築するにはインフラコストが多く必要ですし、面数が少ないと データの整合やテスト順序の制約でリグレッションテストに期間を要します。そのため、生産性およびコスト面からDockerコンテナの有効活用をする計画としました。

─── 一般的にテストエビデンスとして利用されるものとしてログの確認、スクリーンショットの取得などもあげられると思います。今回のプロジェクトで上記のような手法をとらず、カバレッジをエビデンスとして扱うことにした理由があれば教えてください。

水野様:
リライトでは現行ロジックをそのまま流用します。
そのため、テストエビデンスとして必要なログを出力するには多くのPGM改修が必要となります。修正範囲・工数を最小限に抑えテストエビデンスを取得するため、カバレッジを利用しています。

JtestとParasoft DTPを利用したカバレッジデータレポート

JtestとParasoft DTPを利用したカバレッジデータレポート

Jtestを導入した効果  

─── Jtestを導入した効果はいかがでしょうか?

米澤様:
今回カバレッジを導入したテスト工程はシナリオテストだったため、どのプログラム・機能のテストで稼動したかを測ることを目的に導入しました。実際に導入して見ると、当初の目的に加えて、シナリオ単位でのカバレッジ取得もできるようになり、不具合発生時の調査に稼動実績がカバレッジ取得で確認できるため、調査工数が削減できました。また、カバレッジ取得後にParasoft DTPのフィルターを活用し欲しい情報だけに加工するなど、導入当初にイメージしていた活用シーンよりも広い場面で活用することができています。

─── 運用中の課題解決のため、弊社のサポートとして定例会の開催なども行いましたが、ご感想をいただけますか?

米澤様:
メールや定例会でサポートを手厚く行っていただいたおかげで、導入・運用はスムーズにできたと感じています。特に定例会を設定していただけたことにより、メールで問い合わせするか悩むようなことも気軽にご相談できて助かりました。

Parasoft DTPではJavaファイル単位でカバレッジの確認が可能

Parasoft DTPではJavaファイル単位でカバレッジの確認が可能

今後の展望 

─── 他のプロジェクトでもJtestをご利用いただけますでしょうか?

水野様:
はい。カバレッジの取得に対する品質影響やDocker活用に伴う収集において、利用していきたいと考えています。

─── 今回利用したアプリケーションカバレッジ以外にJtestで利用してみたい、使えそうと思う機能があれば教えてください。

水野様:
静的解析などモダナイゼーションにおいては既存不具合なども検知していく必要があります。生成AIによる既存不具合の検出機能があれば、さらに活用できるのではないかと考えています。

─── 今回のようなマイグレーションプロジェクトで静的解析機能に期待することはありますか?具体的に検出したい内容などがあれば教えてください。

水野様:
レガシー言語とオープン言語の仕様差異や言語制約により、不具合が発生します。例えばパラメータ引き渡しの属性や桁数の不整合や配列数をオーバーした利用です。レガシー言語では曖昧な記載でも動作していたものが、Javaでは動作しなくなる場合が少なくありません。そのような場合に生成AIなどを利用してJavaとして整合の取れていない実装箇所について検知できるようになると、さらにテスト範囲を限定できると考えています。

─── プロジェクト自体はまだ続くと思いますが、プロジェクトの展望を教えてください。

水野様:
日本企業は持続可能な社会の実現に向けて、さまざまな課題に直面していると考えています。この社会課題を解決するため、モダナイゼーション(メインフレーム脱却)は不可欠です。弊社もより効率的、より安全なシステムを構築し、課題解決の一端を担っていきたいと考えています。
  • 掲載日:2025年2月
  • 資料記載の担当部署は、取材時の組織名です。(取材日:2024年12月)

TIS株式会社

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お客様担当者

産業公共事業本部
産業ビジネス第3事業部
SRFビジネス部長

葛谷 憲彦様

産業公共事業本部 産業ビジネス第3事業部 SRFビジネス部 副部長

水野 友太様

産業公共事業本部
産業ビジネス第3事業部
SRFビジネス部
エキスパート

篠原 達也様

産業公共事業本部 産業ビジネス第3事業部 SRFビジネス部 チーフ

米澤 舞波様

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