コードレビューの充実や受け入れソフトウェアの品質向上といった導入効果を実感
— Jtest を組み込んだ開発フレームワークを使用して開発したソフトウェアはどういったものですか。
年金の一元化にともない新しく開発した共済年金関連のソフトウェアが第一号となります。ソースコード行数は100万行規模のもので、当社で開発しているシステムでは中規模程度のものになります。 — Jtest を導入した効果について教えてください。 「問題点の早期発見」、「コードレビューの充実」、「受け入れソフトウェアの品質向上」といった効果を実感しています。詳細は、次の通りです。
【効果1】問題点の早期発見
Jtestによる解析の結果、これまで見つけることが難しい問題点や、品質向上につながる改善ポイントを、コードレビューの前段階で洗い出せるようになりました。具体的な数値などでは表しにくいのですが、少なくとも結合テスト時になって「NullPointerException」などの問題が発覚するということはなくなりました。
【効果2】コードレビューの充実
解析結果に基づいたコードレビューを実施することで、潜在化しがちであった問題点や課題を可視化し、組織内でそれらを知識やノウハウとして共用できるようになりました。そのため、コードレビュー自体の内容が充実し、開発の現場の意識変革にもつながっていると考えています。その結果、個人レベルのスキルだけに頼るのではなく、組織としてソフトウェアの品質を担保する体制づくりが、確立されつつあると捉えています。
【効果3】受け入れソースコードの品質向上
外部協力会社に開発を委託したソースコードを受け入れる際、これまでのコードレビューによるチェックに加え、今回さらにJtestによる解析結果も新たな品質の指標として加わりました。複数の協力会社で開発されたソースコードの品質を、一定の基準で比較・評価できるようになり、分析結果に基づき協力会社へ具体的な指示が出せるようにもなりました。協力会社側でもJtestの解析を意識した品質の高いコーディングが次第に浸透し、プロジェクトが進むにつれてJtestによる指摘事項も減っていくという傾向が見られました。ソフトウェア開発における品質レベルが上がり、定着しつつある証だと考えています。