開発効率と開発スピードが向上
依存関係を把握したいという問題意識を持っていたリコーにとって、Lattixが提供する機能そのものが成果物と言えるものだった。牧氏はさっそく、Lattixの国内販売元であるテクマトリックスにコンタクトをとり、デモライセンスを入手して製品の評価を実施。有用性を確認した後に導入したという。
「組み込みソフトウェアのソースコードをLattixにすべて読み込ませ、アーキテクチャを検証するために利用しています。たとえば、新製品には新機能を実現するための新しいモジュールが入っています。新しいモジュールは、既存のモジュールから呼ばれたり、既存のモジュールを呼んだりという依存関係が必ず出てくるので、Lattixを使って依存関係が正しく実装されているかどうかを確認しています」
こうしたコーディング成果物の品質チェックは、プロジェクトごとに行われているという。
「かつてはソースコードを目で見て確かめていましたが、開発規模が大きくなるにつれ、すべてを見ることはできなくなってきました。明示的な依存関係は検出できても、そうでないところの検出は困難です。そのためにもツールの力は必要です」
牧氏は、Lattixを導入した効果も実感しているという。
「ルール違反になっている部分が可視化できる点が一番大きなメリットです。上級のプロジェクトマネージャにも、どのドメインに問題があるか一目で理解してもらえるので、対策が取り易くなりました。もちろん、このツールを使うことで製品開発における問題の全てが解決するわけではありませんが、開発効率が向上したことで、結果的に品質が向上したと考えています」
開発スピードも早くなったと評価する。
「開発スピードの向上にも寄与していると思います。正確に計測したわけではありませんが、ソースコードを目で見て確認しなければならない場合は、開発に着手する前に依存関係などを調べなければならず、それが時間のロスにつながっています。そういう部分がかなり短縮できました」
Lattixによるアーキテクチャルール違反の可視化イメージ