アーキテクチャメトリクスのツールにLattixを採用
エンジニアリングセンターが用意したプロジェクト管理支援システムの中でも、とりわけ重要な役割を果たしているのが、プロジェクトで開発したソフトウェアの品質を確認するQCSである。このQCSは、日本科学技術連盟が策定したソフトウェアの品質に関するナレッジ体系ガイド「SQuBOK(Guide to the Software Quality Body of Knowledge)ガイド」をベースに開発されたものだ。ソフトウェアの品質を確認するのに必要な静的解析などのテストツール、アーキテクチャ品質の評価に必要な分析ツールなどを標準化し、それをセンターサーバに用意。各プロジェクトがネットワーク経由で同じツールを使っている。
「これまでプロジェクトマネージャは、プロジェクトがスタートする時点で単体テスト、静的解析などの各種ツールやコーディングソリューションを手配していました。プロジェクトメンバーは、それらのツールの使い方を覚えて使用しますが、次の新しいプロジェクトが始まれば、また違うツールを勉強し直さなければなりません。また、アーキテクチャ品質の評価も尺度が異なる結果になるので、過去のプロジェクトのノウハウを参考にすることもできません。そこで、全社で統一したツールをサーバに用意し、使用することにしたわけです」(向山氏)
QCSでは、Javaと.NETの静的解析、セキュリティ解析などのテストツールだけでなく、アーキテクチャ分析を可視化するツールを積極的に活用することでさらなる品質向上につなげている。そのアーキテクチャ品質を評価するツールとしてISIDが選択したのが、テクマトリックスが提供する「
Lattix」だった。
「私のミッションは、プロジェクト管理を支援するさまざまなツールをリサーチし、センターのサーバに組み込んで全事業部に提供することです。したがって、新しいツールは常に調査、試用しています。テクマトリックスから紹介された
Lattixは、アーキテクチャ品質をメトリクスにより数値化できるうえ、DSM(Dependency Structure Matrix)というアーキテクチャ分析手法を採用し、コード解析といっしょに利用できる唯一のツールでした」(向山氏)
実はISIDでは、
Lattixの導入前からアーキテクチャ分析手法としてDSMに着目し、DSMを採用した製品開発ソリューションを提供してきた経緯もあって、導入には前向きだった。エンジニアリングセンターが試用してパフォーマンスや使い勝手を評価したのち、
Lattixの本番導入を決めたという。
Lattixを利用したQCSのアーキテクチャ分析図