テスト自動化能力の高さを実感
同社は、2015年の秋ごろから導入を検討し、2016年に入って本格的に導入しているが、Ranorexの選定にあたっては、まず「30日間無料」の試用版を用いて評価した。ツールに求める要求の中で重要な項目は、「決済端末という特殊な環境でも、画面操作の記録だけでテストケースを作れるだけのオブジェクト認識能力を有していること」、「データベースの初期化からテスト実行までの一連の作業を自動化できること」の2点であった。前述したように、テストケースをコーディングにより作成していたのでは、コーディングができる要員をそのために大量投入しなくてはならない。一方、画面操作からテストケースを生成する能力が高いツールであれば、テスト対象のアプリケーションを操作できる要員がいればテストできる。この違いは大きい。「幅広い要員でテストできるので、大規模テストに対応しやすくなった」と長田氏は話す。さらに、記録したテストケースに対してデータのインポートやスクリプトによるカスタマイズを施す機能を利用して、今では、当初の要求にあったデータベースの初期化からテスト実行に加えて、テスト結果の比較までの作業を完全に自動化できているという。