事業等のリスク

当社の事業の状況及び経理の状況等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項及びその他の投資者の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事項を記載しています。

なお、以下に記載のうち将来に関する事項は、有価証券報告書 提出日現在(2021年6月29日)において当社が判断したものです。詳細につきましては、IR資料室[有価証券報告書]の【事業等のリスク】をご覧ください。

(1) 海外ベンダーとの取引について

当社グループの取扱い製品には、Palo Alto Networks, Inc.(米国)をはじめ、海外のネットワーク機器メーカーやソフト開発ベンダー等の製品が当連結会計年度において仕入金額の6割程度含まれております。また、新規性の高い技術を扱うという当社グループの事業戦略上、当社グループの仕入先には小規模な海外ベンチャー企業も含まれております。こうした仕入先が買収された場合、日本法人を設立して販売網の見直しを行う場合、或いは倒産した場合等には、当社グループが従来同様の販売代理権を継続できる保証はなく、場合によっては製品の調達が困難となる可能性もあります。当社グループでは、仕入先との関係強化に日頃から努めておりますが、万が一当社グループの主力製品の仕入に支障が生じた場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に重大な影響が及ぶ可能性があります。

(2) 取扱い製品の競争力について

当社グループの取扱い製品は、現時点において、各製品分野でデファクト・スタンダード(実質的な業界標準)となった競争力の高い製品が中心であると認識しており、また、ソリューションやインテグレーション等の付加価値の高いビジネスを増やすことで仕入先の競争力低下による影響を受けにくい事業構造への改善を進めております。しかしながら、IT業界の技術革新は著しく、競争も激化しているため、当社グループもしくは仕入先による技術革新への対応や価格低下への対応が遅れた場合、当社グループの事業の競争力が低下し、当社グループの事業、業績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。

(3) 当社グループの競争力について

当社グループは、最先端製品の調達、コールセンターや医療等特定業務分野におけるパッケージソフトの開発やクラウドサービスの提供等により、各事業において競合他社との差別化と付加価値の確保に努めております。しかしながら、当社グループが先行する分野への大手企業の参入、新興企業の台頭等により当社グループの競争力が低下する可能性があります。また、景気の低迷等によって企業のIT投資が抑制されるような環境下においては、他社との価格競争の激化により売上高及び利益が減少し、当社グループの事業、業績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。

(4) システム障害の可能性について

当社グループが提供するシステムやクラウドサービスは、顧客業務において重要な役割を担っています。これらのシステムやクラウドサービスにおいて、不具合やオペレーションミス等により重大な障害が発生した場合、発生した損害の補償を求められることや、当社グループ全体の信用力やブランドイメージにも悪影響が及ぶことが考えられ、当社グループ全体の事業、業績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。

(5) 為替変動による影響について

当社グループの取扱い製品のうち、海外から仕入れた製品の大部分は米ドル建で契約しております。当社グループは為替変動によるリスクをヘッジする目的で先物為替予約を行っており、また状況に応じて販売先に対する価格交渉を行っておりますが、必ずしもすべてのリスクをヘッジできるものではなく、為替相場の急激な変動があった場合等には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。

(6) 受託開発案件の採算について

当社グループがアプリケーション・サービス事業で行う受託開発は、プロジェクトの見積りの誤り、作業進捗の遅れ、瑕疵担保責任の履行等により、自社での超過経費の負担が発生し、プロジェクトの採算が悪化する可能性があるほか、検収遅延により売上計上や代金回収の遅れが発生する可能性があります。このような場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(7) M&A、資本・業務提携について

当社グループは、シェア拡大及び事業規模拡大策として、同業他社や当社グループの事業を補完しうる他社等に対するM&Aや資本・業務提携の実施を経営の重要課題と位置付けております。
M&A等の実行に際しては、対象企業に対して財務・税務・法務・ビジネス等に関する詳細なデューディリジェンスを行い、各種リスクの低減に努めておりますが、デューディリジェンスの実行後、これらの調査で確認・想定されなかった事象が判明あるいは発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響が及ぶ可能性があります。また、M&A等が当社の予測通り円滑に進捗するとは限らず、M&A等の結果、仮に実施に至ったとしても、当社が想定した事業上のシナジーや事業の効率化等の効果が生じる保証はなく、また当社グループの収益構造が変化する等のディスシナジーが生じる可能性もあります。
また、当社グループは、M&Aや資本・業務提携等により関係会社、取引先等の株式を保有しております。当社グループは、原則として保有する全ての株式等を公正価値で評価しており、当該株式等の公正価値が著しく下落した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(8) 法的規制について

当社及び当社グループ会社(クロス・ヘッド株式会社、OCH株式会社、株式会社カサレアル及びアレクシアフィンテック株式会社)では、労働者派遣法に基づく労働者派遣事業の許可を取得しており、エンジニア派遣サービスの提供を行っております。
アプリケーション・サービス事業の医療分野では、2005年4月に施行された改正薬事法(現在の「医薬品、医療 機器等の品質、有効性及び安全性の確保に関する法律」。以下「薬機法」といいます。)において、当時、当社連結子会社であった株式会社NOBORI(株式会社NOBORIは、2022年2月に当社の連結子会社となったPSP株式会社との間 で、2022年4月1日を効力発生日として、PSP株式会社を吸収合併存続会社、株式会社NOBORIを吸収合併消滅会社とする合併を実施しております。)が開発・販売する医用画像システムの一部の製品が「管理医療機器」と指定されました。これに伴い、当時の薬事法における製造業、製造販売業、販売賃貸業(現行の販売業・貸与業)の許可を取得し、2014年11月に薬事法から薬機法に改正された際にも、法改正への対応を行っております。このように当社 グループの提供するサービスは、薬事法や薬機法の影響を受けるものであって、診療報酬の改訂によって当該分野 の業績に影響が及ぶ可能性があります。
CRM分野、ビジネスソリューション分野、医療分野においては、電気通信事業法に基づく電気通信事業の届出を 行っており、同届出に基づくサービスの提供を行っております。 当社グループでは、当該許可の諸条件や各法令の遵守に努めておりますが、万が一法令違反に該当するような事態が発生した場合や、関連法令の制定・変更及び行政対応等の動向によっては、規制対応費用が増加すること等により、当社グループの業績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。

(9) 検収時期による業績の変動について

当社グループでは、ストック型ビジネスの推進により、売上高が特定時期に偏重する季節性は薄れてきておりますが、顧客企業の予算執行のタイミングや開発システムの工期との兼ね合いから通期決算期末(3月末)に役務提供の完了及び売上計上が集中する傾向があります。特に顧客の決算期末が集中する3月にはその状況が顕著に表れる傾向があります。このため、技術者の業務集中又は不測の事態等により役務提供の完了及び売上計上が決算期末を超えて遅延した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。

(10) 人材の確保

当社グループでは、ITサービス産業において一般的な労働集約型ビジネスではない、より高付加価値なストック型ビジネスの拡大を目指しておりますが、更なる成長に向けては、優秀な人材の確保・育成は不可欠であります。当社グループでは、新卒の定期採用においては、潜在能力の高い人材を、また中途採用においては、即戦力として活用できる経験者を幅広く採用しております。
ITが全産業分野に浸透して行く中、IT人材の獲得競争は、同業者間のみならず、異業種やベンチャー企業の間でも熾烈になってきております。今後、当社グループが事業拡大に必要な人材を十分に確保・育成できない場合には、当社グループの事業展開、経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(11)無形固定資産(ソフトウェア)について

当社グループは市場販売目的のソフトウェア(パッケージソフト)及び自社利用のソフトウェアのうち第三者提供目的のソフトウェア(クラウドサービス、ASPサービス)を無形固定資産として資産計上しており、一定期間で償却を行っております。
ソフトウェアの開発に際しては、市場性等を慎重に見極めておりますが、市場や競合状況の急激な変化などにより、今後利用が見込めなくなった場合や、収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった場合には、除却あるいは減損の対象となる可能性があります。
このような場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(12) パンデミック・自然災害の発生について

新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の拡大は、いつ終息するか予想できず、それに起因して発生するサプライチェーンの乱れ等による経済活動の動向が顧客業績に影響を与え、ひいては当社グループが提供するネットワークセキュリティ製品や保守・監視サービス、各種ITサービスに対する投資動向にも影響を与える恐れがあります。このような場合には、当社グループの業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
当社の対応といたしましては、緊急事態宣言発令時においては社員の安全確保のために全社員を原則とする在宅勤務を実施し、現在においてはローテーション勤務を実施しておりますが、契約による責務の履行や必要・緊急性の高い業務状況が発生した場合等においては、製品・サービスの供給が滞らないように対応できる体制を整備しております。また、グループ会社間で適宜情報共有を図りながら、グループ全体で連携し取り組んでおります。

(13) 大型の継続取引における資金繰りについて

昨今、サイバーセキュリティ分野においてもクラウドサービス化が進み、複数年にわたるサブスクリプション契約など顧客との継続取引契約が大型化する傾向にあります。その際、顧客よりの資金回収が単年度毎となり、一方で、海外ベンダーへの支払いが一括前払いとなるケースがあります。その場合、当社には資金繰り負担が発生するため、回収サイクルと前渡金負担のギャップを注視し、資金繰り計画に留意する必要があります。

(14) 情報セキュリティについて

当社グループは、幅広く事業を展開しており、顧客企業が保有する個人情報や機密情報等を取り扱う場合がありま。コンピュータウィルスや不正アクセス等により、または自然災害等の不測の事態によって、これらの情報の漏洩や改竄等が発生した場合、顧客企業等から損害賠償請求や当社グループの信用失墜による取引関係悪化の事態を招き、当社グループの業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
このため、内部統制システムの基本方針に沿って、情報セキュリティ管理及び個人情報保護に関する内部規程を定めています。2006年11月に外部認証機関に基づく監査を経て、国際規格「ISO/IEC 27001」及び国内規格「JISQ27001」を取得しており、取得以降は、毎年の定期監査、もしくは更新監査を受けております。
内部の体制としては、経営者をトップとした情報セキュリティ委員会を構成し、四半期毎に委員会を開催し、情報セキュリティマネジメントに係るPDCAサイクルの実施状況の共有や社内課題(セキュリティ対策の強化等)の検討を行っています(コーポレート部門の社員を中心とする「事務局会議」は毎月開催)。
運用状況の評価は、毎年内部監査と外部監査により実施しております。また、セキュリティ・インシデントが発生した際に迅速な事態の収束、被害の最小化を実現できる体制を構築しております。その他、全従業員を対象としたセキュリティ研修を毎年定期実施しており、インシデントが発生した部署においては、再教育を実施する等、再発防止の対策も講じています。
また、セキュリティ・インシデント対応を行う組織として、CSIRT(Comtuter Security Incident Responseteam)チームを新設しました。ログからの予兆や監視を強化し、インシデントレベルごとの対応手順の整備や訓練を行うことで、検知から復旧まで対応可能な組織が実現しました。社内、社外の関係組織との連携を強化してまいります。

(15) 半導体や部品の不足による製品の納期遅延ついて

戦争の勃発や地政学的リスクの増大による世界情勢の混乱、パンデミックや自然災害の発生、経済安全保障上の調達・供給制限等、あらゆる不測の事態に起因して半導体や部品の安定的な調達が困難になった場合は、当社グループが提供する製品の納期遅延が発生するリスクがあります。このような場合には、当社グループの業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

お問い合わせ

製品についてやテクマトリックスについてなど、
こちらよりお気軽にお問い合わせいただけます。

') ')