フェーズを分けてシステム導入
2006年4月に設計を開始し、構築する情報システムの機能を第1フェーズと1.5フェー ズ、第2フェーズに分類。第1フェーズがカットオーバーしたのは、2006年9月だった。第1フェーズでは、初期設計を元にしたプロトタイプ版の作成、および新情報システム向けのシステムインフラを先に導入した。また、内部統制強化の為に新たにセキュリティインフラの導入も行った。具体的には、重要な投資情報が含まれるシステムデータベースやファイルサーバに外部(京都本社以外の各拠点)から接続する時には、ワンタイムパスワードによるログイン認証が必要となるようにした。これにより、各拠点からの不正アクセスの防止およびアクセス状況の管理が可能となった。
2006年12月にカットオーバーした第1.5フェーズでは、従来利用してきた投資先情報を格納するシステムの機能を損なわず、投資担当者にとって使いやすいものにすることが1番の目的だった。例えば、従来は情報の上書きしかできなかったものを履歴でさかのぼれるようにバージョン管理の仕組みを取り入れたり、Web画面から必要な帳票を誰でも取り出せるようにしたりなど、今まで行ってきた業務をより便利にすることを最優先した。
2007年6月にカットオーバーした第2フェーズでは、FVCが作成したRFPを具体化するさまざまな機能が開発された。例えば、ファンドへの投資情報を管理している勘定系システムとの連携機能、活動記録や決議関係書類を格納する機能などだ。
第1.5フェーズシステムの目標が投資担当者の業務改善だったのに対し、第2フェーズシステムの目標は、投資部門や経営層が投資先をいろいろな角度から把握できるシステムにすることだった。
現在、実際にシステムを利用する投資担当者からの評判は良好だ。入力ミスが大幅に減少し、資料作成の手間も大きく低減されたという。

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