CASE STUDY 導入事例

大容量学術コンテンツの保存にDell EMC アイシロンを活用 旧環境からの円滑な移行も実現

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慶應義塾大学 メディアセンター本部では、学内に蓄積された多種多様なデジタルコンテンツを保存するための大容量ストレージシステムを運用している。今回、同大学では、このシステムの再構築を実施。スケールアウトNAS「Dell EMC アイシロン」を引き続き活用することで、膨大な数に上る大容量データを余裕で保存できる先進的なストレージ環境を実現している。

ビジネス課題

慶應義塾大学 メディアセンター本部では、貴重な学術資料や特殊コレクションを公開するサイト「慶應義塾大学メディアセンター デジタルコレクション」や、学術情報発信のための機関リポジトリ「KOARA」の運用を行っている。ここでは、大量のデジタルコンテンツや学術情報を保存する必要があるため、スケールアウトNAS「Dell EMC アイシロン」による大容量ストレージシステムを導入・活用してきた。しかし、システムに蓄積されるデータ容量も増大する一方であることから、同本部では環境の見直しに着手。より多くのデータを快適に活用できる新たなストレージシステムの導入に取り掛かることとなった。

慶應義塾大学図書館は500万冊の蔵書を誇り、1912年に建設された図書館旧館は国の重要文化財に指定されている

慶應義塾大学図書館は500万冊の蔵書を誇り、1912年に建設された図書館旧館は国の重要文化財に指定されている

導入効果 ストレージシステムの容量を 2倍にアップ・データ移行作業の期間を 従来の約1/6に短縮導入効果

  • ストレージシステムの容量を従来の約2倍に引き上げることに成功
  • サーバラックの占有スペースを10Uから6Uに削減
  • Dell EMC アイシロンを継続採用することでスムーズな移行を実現
  • 優れた信頼性・可用性を活かし安定的な業務運用を実現

ソリューション

  • ハードウェア Dell EMC Isilon A200

慶應義塾大学では、6つのキャンパスそれぞれにメディアセンター(図書館)を設置し、豊富な蔵書やデジタルコンテンツ、各種サービスの提供を通じて、学内の研究・教育・医療活動を支援している。

今回、メディアセンター本部では、このデジタルコンテンツを保存する大容量ストレージシステムの再構築を実施した。旧環境で優れた実績をあげた「Dell EMC Isilon X210」を「Dell EMC Isilon A200」に置き換えることで、より多くのデータを格納できる環境を実現。また、新旧アイシロン間での円滑なマイグレーションも実現している。

慶應塾大学メディアセンター デジタルコレクションで公開されている所蔵書 「グーデンベルグ42行聖書」

慶應塾大学メディアセンター デジタルコレクションで公開されている所蔵書 「グーデンベルグ42行聖書」

貴重な古典書や洋書、浮世絵などをデジタル化して一般に公開

創立から150年を超える歴史を有し、福澤諭吉の「実学(サイエンス)」の理念を今に受け継ぐ慶應義塾大学。「世界の学界をリードし、国内外から優秀な学生、研究者が集まる学塾へ」の大学ビジョンの下、次世代を担う人材の育成に邁進している。その同大学の活動に欠かせない重要な役割を果たしているのが、6つのキャンパスすべてに設置されたメディアセンターだ。

同センターでは、「学術情報を収集・組織・保存・提供することにより、慶應義塾大学における学習・教育・研究・医療活動を支援すること」「慶應義塾大学における学術活動の成果の発信を支援すること」「学術・文化の担い手として学術情報を構成に伝えること」の3つの使命を担い、国内外の学術活動や社会に貢献することを目指している。

メディアセンター本部 システム担当 課長 五十嵐 健一 氏「メディアセンター本部 システム担当部門では、この使命を受けて各メディアセンターの業務基盤となる図書館システムを含めたシステム基盤の管理運用、ならびに各種Webサイトの管理運用を手掛けています」と語るのは、慶應義塾大学 メディアセンター本部 システム担当 課長 五十嵐 健一氏。その取り組みの中でも注目されるのが、同本部が運営するWebサイト「慶應義塾大学メディアセンター デジタルコレクション」である。

ここでは、各メディアセンターで所蔵する和漢の古典書や漢籍、浮世絵、洋書などの資料をデジタル化して広く一般に公開。とても現物には触れられない貴重な資料を手軽に閲覧できるとあって、多くの利用者から好評を博している。また、デジタル化されたコンテンツについては、学内Webサイトでの利用に留まらず、「Google Arts & Culture」などへの提供も行っているという。

大容量コンテンツの保存にDell EMC アイシロンが貢献

もちろん、こうした取り組みを進めていく上では、大量のコンテンツを保存するための大容量ストレージシステムが不可欠となる。五十嵐氏は「メディアセンター本部では、デジタルコレクションだけでなく、学術情報発信のための機関リポジトリ『KOARA』(KeiO Associated Repository of Academic resources)の管理運用も行っています。こちらにも論文などの学術情報が年々蓄積されていきますので、データ容量も増える一方です」と語る。

メディアセンター本部 システム担当 主任 稲木 竜 氏かつては、市販のNAS装置を利用していたが、容量が不足する度に買い足す必要があったとのこと。「最終的には10台程度の機器が稼働していましたので、運用管理が非常に煩雑でした。また、ある程度の冗長性は確保していたものの、信頼性の面でも不安を抱えていましたので、もっと安心して活用できる大容量ストレージはないものかと感じていました」と五十嵐氏は振り返る。

こうした状況を変えるきっかけとなったのが、スケールアウトNAS「Dell EMC アイシロン」(以下、アイシロン)との出会いであった。慶應義塾大学 メディアセンター本部 システム担当 稲木 竜氏は「大量の大容量データを保存するとなると、通常の業務システムのように簡単にバックアップを取るというわけにもいきません。そうなると、ストレージ本体の信頼性・可用性が高いことが非常に重要になります。その点、アイシロンは大容量のNAS製品であるというだけでなく、優れた耐障害性も兼ね備えています」と語る。この特長を評価した同センターでは、「Dell EMC Isilon X210」の導入を決断。それ以来、安定的な運用を続けてきた。

さらなる大容量化を目指し新機種への移行を決断

さらに、今回、メディアセンター本部では、このデジタルコンテンツ用ストレージシステムの再構築に着手した。五十嵐氏はその背景を「アイシロンの導入後もデータは増加し続けており、容量が一杯になってきました。ちょうど前回導入したX210が更新のタイミングを迎えたこともあり、これを機に新しい製品に入れ替えることにしたのです」と語る。

メディアセンター本部 システム担当 森岡 祐介 氏新ストレージの導入にあたっては、もう一度ゼロベースでの製品選定を実施。市場に提供されている主要なストレージ製品を候補に挙げ、綿密な比較・検討を行った。その結果、同本部では、再度アイシロンを採用することを決定。具体的な製品としては、アーカイブ用途に適した容量重視モデルの「Dell EMC Isilon A200」が選ばれている。

メディアセンター本部 システム担当 森岡 祐介氏は、そのポイントを「新ストレージシステムに十分な容量を確保できる上に、もし空き領域が不足してきた場合も柔軟に拡張が行えます。また、これまで特に大きな障害やトラブルもなく、安定稼働を続けてきた実績も評価しました」と説明する。今回のソリューション提供を担当した株式会社ミライト情報システム並びにテクマトリックス株式会社の協力を得て、A200の事前検証も行ったが、そこでの手応えも上々だったとのことだ。

新旧アイシロン間でのスムーズな移行を実現

導入事例:慶應義塾大学様

加えて、もう一つの大きな決め手となったのが、旧環境からのマイグレーションが容易に行えるという点だ。五十嵐氏は「基本的に我々が取り扱うデータは、半永久的に廃棄することがありません。たとえば、旧環境では約90TBのデータを保存していましたが、この内40TBだけ移行しようということにはならないのです。そうなると、大量の大容量データをいかに効率的に、かつ短時間でマイグレーションするかが問題になります」と語る。その点、アイシロンなら、既存環境に新しいノードを追加し、移行が終わった旧ノードを順次撤去する形で容易にマイグレーションが行える。

実際に同本部でも、非常にスムーズに移行が行えたとのこと。「移行作業中もストレージへのアクセスは発生しますので、長々とシステムを止めることはできません。しかし、新旧のアイシロンを組み合わせたことで、ユーザーの業務に影響を生じさせることなく、無停止で作業を終えられました」と森岡氏は語る。

ちなみに、旧アイシロンへのデータ移行を行った際には、学内ネットワーク越しにデータをコピーする作業などで半年程度の期間を要したという。しかし今回は、InfiniBandスイッチ経由での高速データ転送が可能なため、機器の移設などの作業があったにも関わらず、1か月程度ですべての作業を完了している。「ミライト情報システム/テクマトリックス以外の提案では、業務停止時間が発生する、あるいは自社製品以外は保証できないというものもありましたので、円滑に移行を終えられたことは大変良かった。手を動かす部分が少なく、移行費用を抑えられたのも大きなメリットですね」と五十嵐氏は語る。

容量を従来の2倍にアップ パフォーマンス向上も実現

新ストレージシステムが稼働したことで、従来の課題は解消。実効容量は旧環境の100TBから2倍近くに引き上げられており、余裕を持った運用が行えるようになった。また、以前と比べてパフォーマンスも向上。稲木氏は「導入後に大量のファイル転送を行ったことがあるのですが、最後まで性能が落ちませんでした。ユーザーからも前より速くなったと歓迎の声が挙がっています」と語る。

アイシロンは広大なストレージ領域をワンボリュームとして利用できるため、大量データの管理も効率的に行えているとのこと。万一データを誤消去した場合などに備えて、スナップショット機能「SnapshotIQ」による保護も行われている。「キャンパスの法定停電の際には停止/再起動を行いますが、こうした操作も簡便に行えます。旧環境と同様に安定的に稼働してくれていますので、とにかく運用管理に手間の掛からないストレージという印象ですね」と森岡氏は語る。

もっとも、ストレージシステムに蓄積されるデータは今後も増加していく上に、新しいプロジェクトの企画なども進められている。「ユーザーにより便利で快適な環境を提供することが我々のミッションですから、今後もメディアセンター本部の使命に則った形で環境改善に取り組んでいきたい」と展望を語る五十嵐氏。アイシロンが活用される場面も、ますます拡がっていきそうだ。

システム構成図

導入事例:慶應義塾大学様 システム構成図

「Dell EMC Isilon A200」を導入したことで、ストレージ容量を従来の2倍に増やせました。新旧アイシロンを組み合わせることで、データ移行期間も以前の約1/6に短縮でき大変満足しています。今後も「慶應大学メディアセンター デジタルコレクション」や機関リポジトリ「KOARA」支えるストレージとして活用していきたいと思います。
慶應義塾大学 メディアセンター本部 システム担当 課長 五十嵐 健一 氏

ストレージシステムには大量の大容量データが保存されていますので、通常のシステムのようなバックアップを行うことが困難です。その点、アイシロンは高い耐障害性と信頼性を備えていますので、安心してデータを活用できます。今回新機種に入れ替えたことで、パフォーマンスの改善も図ることができました。
慶應義塾大学 メディアセンター本部 システム担当 主任 稲木 竜 氏

長期間にわたり安定稼働してくれるだけでなく、運用管理が容易に行えるのもアイシロンの大きなメリットですね。普段はストレージのことを意識する必要がありませんので、大変助かっています。今後はクラウド活用などの取り組みも検討していきますが、この点でもアイシロンなら容易に対応が行えます。
慶應義塾大学 メディアセンター本部 システム担当 森岡 祐介 氏

株式会社ミライト情報システム テクマトリックス株式会社

慶應義塾大学

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メディアセンター本部
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課長

五十嵐 健一 氏

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稲木 竜 氏

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メディアセンター本部
システム担当

森岡 祐介 氏

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