CASE STUDY 導入事例

工場ファイルサーバーをEMCアイシロンで刷新 データ増大への対応と運用管理の効率化に成功

お客様

ジャパンマリンユナイテッド株式会社様

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■課題

ジャパンマリンユナイテッドは、コンテナ船やタンカー、客船、官公庁船、艦艇などの建造を手がける国内有数の造船会社である。近年では造船業界においても設計業務の3次元化が進んでおり、同社でもリードタイム短縮や設計品質向上、手戻りの削減に3DCADを活用してきた。しかしこれに伴って、システムに蓄積される業務データ容量は飛躍的に増大。既存ファイルサーバーでは対応が困難になってきた。そこで同社では、今後のデータ増加にも余裕を持って対応できる高いスケーラビリティを備えたストレージ の導入に取り組むこととなった。

■EMCアイシロンのメリット

ジャパンマリンユナイテッド株式会社は、以下のような理由からEMCアイシロンを採用した。
  • 性能や容量を必要に応じてリニアに拡張できるスケーラビリティ。
  • 重要業務データの保存に欠かせない高い信頼性・可用性。
  • 大規模ファイルサーバーを効果的に活用できる柔軟な運用管理機能。

設計業務の3次元化に伴うデータ容量の増大が課題に

長年にわたり日本の造船業界を支えてきたアイ・エイチ・アイ マリンユナイテッドとユニバーサ ル造船の合併により、2013年に誕生したジャパン マリンユナイテッド。業界屈指の高度な技術・研究開発力と、充実した生産体制が同社の強みだ。現在ではコンテナ船、タンカー、バルクキャリ ア、客船、海上自衛隊の艦艇など、幅広い領域にわたる船舶を建造。また、環境にやさしく経済性も高い『エコシップ』1の研究開発も推進している。

製造業である同社にとっては、効率的な設計・開発環境の実現も重要な課題だ。同社 技術統括部 システム開発グループ 横浜システムチーム 主幹 鈴木 博之氏は「この分野でもグローバル競争が一段と激しさを増しており、設計の初期段階から高い品質を確保し、開発期間の短縮を図る取り組みが不可欠となっています。特に当社で建造する船舶は高密度艤装2を行いますし、多様化するお客様ニーズにもしっかりとお応えしていかなくてはなりません。そこで3D CADによる先進的な設計環境を構築し、開発業務の効率化や可動部分の干渉チェック、作業現場における工程指示などに役立てています」と語る。

もっとも、こうした取り組みを進める中で、新たな課題が生まれてきた。特に問題となったのが、加速度的に進む業務データ容量の増大だ。同社 技術統括部 システム開発チーム 横浜システムチーム 澤野 光海氏は「設計の3D化によって個々のデータそのものが大容量化している上に、デジカメで撮影する画像なども高精細化・大容量化が進んでいます。しかも、当社では、修理・保守対応のために過去の設計データを残しておく必要がありますから、ファイルサーバーの容量も逼迫する一方でした」と語る。
  1. エコシップ : 環境に優しい船舶のこと。自動車業界のエコカーと同じく、船舶業界でも地球温暖化の原因とされる二酸化炭素や、NOxやPMなどの大気汚染物質の排出が少ない船舶の開発が進んでいる。同社では、”エコロジー”、”エンバイロメンタル(環境)”に加え、”エコノミー(経済性)”を意味する頭文字「e」をその名に配した環境負荷低減船、「eFutureシリーズ」や、排熱回収・低燃費機関プラントの構築及び実海域性能向上に加え、最適航路探索などで省エネ運航計画にも寄与する「G(Green Ship)シリーズ」などのエコシップを開発している。
  2. 高密度艤装 : 船舶の製造過程のうち、船体が完成した後就航に必要な種々の装備を船に施す工程や、その装備自体を「艤装」と言う。高密度艤装は、空間に対し高い密度で施された艤装のこと。同社は、独自に開発した3D CADにより船体と艤装を同一CAD上で設計できるため、より高密度な艤装が可能となっている。

工場ファイルサーバーをEMCアイシロンで再構築

既存ファイルサーバーの更新時期を間近に控えた2013年夏、同社ではこうした業務課題を解消すべく新たなストレージ製品の導入検討に着手した。澤野氏はこの時に掲げた要件として、まずスケーラビリティの高さを挙げる。

「業務データが今後も増え続けていくことは明らかなので、容量が不足した際に、増設が柔軟に行えることを重視しました。容量が足りなくなる度に装置を買い替えていたのでは、投資効率も悪くなってしまいますからね。また、それに加えて、800ユーザー同時接続をこなせるだけのパフォーマンスと、高い信頼性・可用性・耐障害性を備えていることも必須要件でした」(澤野氏)。

元々検討の過程では、既存ファイルサーバーと同じベンダ製品を考えていたという。しかし、ここで一つの転機が訪れることになる。同社・横浜システムチームでは、技術動向調査や製品情報収集のために、積極的に情報システム部員をイベントや展示会などに派遣している。そこで目に留めたのが、テクマトリックスが提供するスケールアウトNAS「EMCアイシロン」だったのである。

「以前からEMCアイシロンには興味を抱いていたこともあり、早速テクマトリックスにコンタクトして改めて検討してみました。すると従来ストレージと比較して容量増設が非常に簡単に行える 上に、ノード追加によって性能をリニアに向上できるなど、パフォーマンス面でも全く問題がない。
まさに当社の要件にピッタリのストレージでしたので、早速評価機を借りて検証を行ってみました」と澤野氏は語る。実際の業務環境を想定して行われた様々な検証作業の結果も上々で、同社の厳しい要求に応えられるストレージ製品であることが確認できた。
「唯一気にしていたのがコストの問題です。実は、EMCアイシロンについては、優れているが高価なストレージというイメージがありました。しかし、この点についても杞憂に過ぎず、十分手が届く範囲の製品であることが分かりましたので、新たなファイルサーバーへの採用を決断しました」(澤野氏)。

高い性能と柔軟な拡張性を兼ね備えたインフラを実現

EMCアイシロンには、高IOPSが要求される用途向けの「Sシリーズ」、容量と性能のバランスに優れた「Xシリーズ」、ニアラインストレージ向けの「NLシリーズ」の3種類のプラットフォーム ノードが用意されているが、今回のプロジェクトではXシリーズの「EMCアイシロン X200」を3台導入。1台あたり11TBの容量を確保すると同時に、SSDを200GB、メモリも48GBフル実装した。こうすることで、高速なSSDにメタデータ(ファイル属性や物理位置情報)を格納することができ、今後ファイル数が増加した場合にも、素早く任意のファイルを取得することができる。

また、今回のプロジェクトで注目されるのが、将来に向けた拡張性にも十分な配慮が払われている点だ。懸案であったデータ容量増加への対応を果たすために、あえて18ポートタイプのInfiniBandスイッチを導入。さらに、異なる機種のEMCアイシロンが複数台で構成されているストレージ環境でも、一つのファイルシステムとして一元管理できる上、SSDの利用ポリシーも柔軟設定できるなど、管理効率向とパフォーマンス最適化に寄与するアプリケーション「SmartPools」も、最初から導入されている。

澤野氏はその狙いについて「今回導入した環境だけを考えるのなら、これほど大型のスイッチもSmartPoolsも今すぐ必要というわけではありません。しかし、ファイルサーバーの増設を迫られる場面はいつか必ずやってきます。そこでまたシステム改修を行うとなると大変ですので、あらかじめ将来を見据えた環境を用意してあるのです」と説明する。

導入・構築作業もスムーズに進んだとのこと。同社 技術統括部 システム開発チーム 横浜システムチーム 稲村 翔吾氏は「EMCアイシロンはすべてのノードがコントローラとして機能するため、ネットワーク構成的には多少従来ストレージとは考え方を変えなくてはなりません。しかし、導入前の検証作業の際にテクマトリックスからいろいろと情報を提供してもらい、製品理解が深められたこともあり、導入フェーズでは特に問題になるようなことはありませんでした。また、巨大な単一ファイルシステムを構成できるのがEMCアイシロンの大きな特長の一つですが、当社では機密性 の高い情報を取り扱うということもあり、ストレージ内を分割してそれぞれの組織やユーザーに割り当てる必要があります。しかしこの点についても、クォータ管理機能を提供するアプリケーショ ン『SmartQuotas』を利用することで要件をクリアできました」と語る。

EMCアイシロン ネットワーク図

豊富な管理機能が 運用管理の効率化に貢献

EMCアイシロンによる新工場ファイルサーバーは2014年春より本稼動を開始。これに伴い、数多くの導入効果が実現している。「最も大きなメリットは、既存ファイルサーバーが抱えていた課題を解消し、今後のデータ容量増大に対応できるスケーラブルなファイルサーバー基盤が実現できたことです。しかも、それに加えて、社内のあちこちで稼動していた小規模ファイルサーバーを同じ環境の中に統合できた点も見逃せません。これによりIT投資の最適化が図れますし、運用管理の効率化も役立ちます」と澤野氏はにこやかに語る。設置スペースも以前の1/3程度に収まっており、日々のストレージ運用に掛かる工数も半分程度に削減できたとのことだ。

またEMCアイシロンの多彩な運用管理機能も積極的に活用されている。先に触れたSmartPools、SmartQuotasに加えて、高度なスナップショット機能を提供するアプリケーション「SnapShotIQ」によるデータ保護も実施。万一、ユーザーがデータを誤消去してしまった際なども、迅速な復旧が行えるようにしている。「強力な管理者権限が用意されている点も非常に便利ですね。たとえば、現場のユーザーがファイルサーバーを利用する中では、特定のユーザーしかアクセスできないフォルダを作成した後に、間違えてAdministrator権限を消してしまうといった事態も生じます。Windows系ファイルサーバーや他のストレージ製品などでは、こうした際の対応がかなり大変なのですが、EMCアイシロンならスピーディに対応できます」と稲村氏は語る。

テクマトリックスの提案やサービスにも高い評価が寄せられている。「我々の相談に親身に対応してくれた上に、手厚い技術サポートも提供してもらえました。おかげで安心してシステム構築に臨めましたね。今後もぜひ同様の支援をお願いしたい」と澤野氏はにこやかに語る。

同社ではITインフラの最適化を追求する観点から、今後もEMCアイシロンへのデータ集約をさらに進めていく考えだ。その一環として、現在はまだ対象となっていないPDM(Product Data Management)サーバ用ストレージとしての活用も検討中である。「ビジネスの効率化に役立つ環境をユーザーに提供していくことが、我々情報システム部門に課せられた使命。今後もインフラの改善を推進し、会社の成長に貢献していきたい」と抱負を語る鈴木氏。テクマトリックスのソリューションも、こうした同社の取り組みをしっかりと下支えしていくのである。

EMCアイシロン 筐体画像

ジャパンマリンユナイテッド株式会社

お客様担当者

ジャパンマリンユナイテッド株式会社
技術統括部
システム開発グループ
横浜システムチーム

主幹 鈴木 博之 氏

ジャパンマリンユナイテッド株式会社 技術統括部 システム開発グループ 横浜システムチーム

澤野 光海 氏

ジャパンマリンユナイテッド株式会社 技術統括部 システム開発グループ 横浜システムチーム

稲村 翔吾 氏

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