• HOME
  • 導入事例
  • 「FINCAD」で複雑な金融商品プライシング・評価を実現

導入事例「FINCAD」で複雑な金融商品プライシング・評価を実現

~金融情報ベンダーQUICKの「QUICK ActiveManager Treasury」~

お客様

株式会社QUICK様

カテゴリ

  • 金融

関連サービス/製品

日本最大の金融情報ベンダーである株式会社QUICK。金融情報のリアルタイム配信サービス「QUICK ActiveManager」シリーズには、デリバティブのプライシングや時価評価を実現するための情報を網羅した「QUICK ActiveManager Treasury」と「FINCADオプション」 が用意されている。時代の要求に応えるパッケージづくりに、テクマトリックスは国内唯一の「FINCAD」提供ベンダーとして参画している。

QUICK社のマーケットレートとの連動により機動的な評価・分析が可能に

国内最大の金融情報ベンダー

株式会社QUICKは金融情報ベンダーだ。1971年に創業した時の企業名が「株式会社市況情報センター」であることからもわかるように、特に日本株の情報配信を得意としており現在でも「株式情報のQUICK」というイメージが強い。1987年にグローバル金融情報サービス企業を目指してCIを導入し、社名を「株式会社QUICK」に変更した後には、2000年には企業分析情報提供を専門とする「QUICK企業研究所(現株式会社QBR)」を設立し、さらに2005年には国際金融情報サービスの提供とコンテンツの企画・開発を手がける「株式会社QUICKグローバルインフォメーション」を設立するなど事業を拡大。現在では日本経済新聞社のグループ企業として、幅広い金融情報の提供を手がけている。

デリバティブのプライシングに「FINCAD」を選択

「QUICK ActiveManager Treasury」の大きな特徴として、FINCADとのデータ・リンクがある。デリバティブ計算は、「QUICK ActiveManager」の情報を利用してFINCADで行うという仕組みだ。デリバティブのプライシングや時価評価に活用できるサービスになっている。
 「以前の金融情報ベンダーの仕事は、株や為替の価格情報や企業ニュースをリアルタイムに配信することでした。そのため、先進的な通信技術やITへの取り組みも早くから行われていましたが、最近では生の情報をリアルタイムに配信するだけでなく、取り込んだ情報を再計算して価格を把握する必要が出てきました。これに対応するために有効なのがFINCADなのです」とQUICKホールセール事業部シニア・ソリューション・マネージャーである藤崎達哉氏は語る。
 金融情報配信とその活用の歴史は、テクノロジーの進化をいち早く取り入れた歴史でもあるという。1980年代の金融情報は、モノクロの専用端末で閲覧されていた。その後、専用端末に表示される情報から必要な部分をディーラー自身が抜き出し、別端末のスプレッドシートに入力するようになった。Windows普及以降は1つのディスプレイに金融情報とスプレッドシートを開き、比較的簡単に情報のやりとりができるようになった。そして今、FINCADのようなツールを利用することでスプレッドシート上にはリアルタイムな情報が取り込まれ、簡単に評価を知ることができるようになっている。
 「FINCADはこの種の製品の草分けです。私は登場直後の頃に他社で導入したものを見る機会があり、その時に非常に画期的な製品だという印象を持ちました。今回の導入にあたっても、先発メリットを重視してFINCADを選択しました」と藤崎氏。ここで重視された先発メリットとは「FINCAD」の持つ1000を超えるデリバティブの関数だ。デリバティブは流行が激しく、カバレッジや商品数が多い。そのため、豊富な関数を持つ専門ツールを組み込むのが、十分なサービス提供への近道だったのだ。
 「自社で作り込む手法もありますが、ゼロから同等機能を作り出すのは大変なことですし、製品に組み込んでしまうとお客様の要望に対応するための作り替えも難しくなります。餅は餅屋というように、専門のツールを別立てで組み込むのが最適なのです」と藤崎氏は語る。

株価情報のQUICKのイメージを打ち破る! ~<QUICK ActiveManager Tresury>~

「FINCADは単独で購入することもできる。しかし、複雑な計算をするためにはスプレッドシートの作り込みが必要になるため、購入してすぐに自在に計算ができるユーザーはごく限られているのではないでしょうか?そもそも、トレーダーの本分は、売り買いをして儲けを出すことです。そのための準備に時間がかかってしまったのでは本末転倒です。そこでユーザーのニーズに 合わせて、あらかじめスプレッドシートにリンクさせて、すぐに使えるようにしたのが<QUICK ActiveManager TreasuryのFINCADオプション>です。現在でも、金融情報端末のユーザーの脳裏には<QUICKといえば株価情報>という先入観があると推測しています。<QUICK ActiveManager Treasury>はそのイメージを打破するサービスとして企画したものです」と藤崎氏。
金融機関にとってデリバティブはもはや不可欠の金融取引であるが、そのプライシングはけして易しいものではない。また、取引後に保有している金融商品の価値を知るためには、時価の再評価を行わなければならない。<QUICK ActiveManager TreasuryのFINCADオプション>を利用すれば、そういった計算が比較的簡単にできるようになる。
「株式や外国為替の価格と違い、オーダーメイドな取引が大半を占めるOTCデリバティブは、時価が公表されるケースの方が少ない。しかも、そのような金融商品に限ってキャッシュフロー構造が複雑で、その時価評価は困難を極めます。これまでは、例えば仕組債のようなデリバティブ内包型債券の時価評価に関していえば、売り手の証券会社側から一方的に時価が報告されるだけでした。しかしながら、最近ではサブプライム問題の影響やバーゼルII等から金融商品の保有者自らが時価評価を行いたいという需要が増えてきています。今後、このようなニーズはますます伸びて行くのではないでしょうか」と藤崎氏は語る。

◆FINCADライブラリを活用したクロスアセット・プライシング

◆FINCADライブラリを活用したクロスアセット・プライシング

適用範囲拡大とサポートの効率化を目指す

<QUICK ActiveManager Treasury>には2つの源流がある。1つは<QUICK ActiveManager円債パッケージ>、もう一つは<QUICK ActiveManagerトレジャリーパッケージ>だ。藤崎氏は以下のように説明する。 「いずれも<株価情報のQUICK>というイメージを打ち破るために3年ほど前にリリースされた情報サービスで、前者は主に国内債券市場、後者は国際資金為替市場のユーザーを意識して企画されました。そしてFINCADを採用していたのは後者でした。しかし、FINCADのニーズは国際資金為替市場分野だけでありません。そこでFINCADをより広い範囲のユーザーに利用していただくために、これら2つのサービスを統合するかたちで2009年3月にリリースしたのが<QUICK ActiveManager Treasury>です。」 以上の経緯からわかるように、FINCADはQUICKにおけるノン・エクイティーつまり株式情報ではない分野に開拓のために戦略的に採用されたアプリケーションだ。それではQUICKの本丸でもある株式市場ではどうだろうか。 「当然のことですが、株式市場でもFINCADは利用価値が高いと考えます。実際<QUICK ActiveManager Treasury>以外のサービスの一部にもFINCADを追加することも可能ですから、今後は株式市場にも適用範囲が広がる可能性は十分にあります」と藤崎氏は推測する。 また、サポートの効率化を目指してユーザー別に類型化したサービスの提供も目指しているという。「これまでの3年間はお客様のニーズに合わせてその都度対応していました。しかしこれまでの経験でどういうお客様が何を求めているのかということがわかってきました。まだデリバティブのプライシングはハードルが高いので、サポートが重要です。今後はもっとシンプルなサービスにすることで、サポートをスムーズに行えるようにしたいですね」と藤崎氏は語っている。

株式会社QUICK

株式会社QUICKは日本初の金融情報ベンダー「株式会社市況情報センター」として1971年に創業。オンラインリアルタイム証券情報サービス「ビデオ-I」を1974年から提供する等、株式や金融情報を提供する金融情報ベンダーとして成長してきた。日本経済新聞社のグループ会社であり、関連会社に保守やソフト開発を行う「QUICK電子サービス」やシステム運用を行う「日経統合システム」、ニュースやアナリストコメントを提供する「日経QUICKニュース社」、「QBR」等がある。

お客様担当者

ホールセール事業部
シニア・ソリューション・マネージャー

藤崎 達哉 氏

本件についてお問い合わせ

  • テクマトリックス株式会社
    東京本社

    ビジネスソリューション事業部
    ビジネスソリューション営業部
    金融システム営業課

    03-4405-7846

お問い合わせ

製品についてやテクマトリックスについてなど、
こちらよりお気軽にお問い合わせいただけます。