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導入事例「チャットボット」×「人」のベストミックスで『働き方改革』を実現! ~4万人の営業が利用する主軸システムに選ばれた「Fastシリーズ」~

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第一生命保険株式会社様

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  • コンタクトセンターCRM

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『お客さま第一主義』を経営理念に掲げ、社会のニーズに最適な保険商品・サービスを提供している第一生命保険株式会社(以下、第一生命保険)では、全国約4万人の生涯設計デザイナー(以下、営業職員)からの問い合わせ対応や事務作業のオートメーション化を推進している。
同社では、保険契約手続きに関連した照会業務にチャットボット・有人チャット、電話で対応を行うスマートセンターを新設した(図1)。同センターの主軸システムとして、テクマトリックスのCRMシステム「FastHelp5」を選んだ背景や導入効果について詳しく伺った。

<概要>

 【Fastシリーズ導入前の課題】
  • 照会業務を本社に集約し、省力化が求められた
  • チャットボットとオペレーターによる対応をシームレスにつなぎ、問い合わせ履歴の一元管理が必要に
  • 業務に合わせ、使いやすさを追求できるソリューションが必要
 【Fastシリーズ導入後の効果】
  • 営業職員 約4万人からの照会業務を担うインフラが整備できた
  • チャットボットと有人チャット、電話からの問い合わせ履歴の一元管理が可能に
  • ひとつのアプリケーション・インターフェースで応対ができる環境になった

チャットボットで省力化を目指した背景とは

1902年の設立以来、お客さまのQOL(クオリティ・オブ・ライフ)の向上につながる商品・サービスおよびコンサルティングを提供している第一生命保険。病気・ケガや死亡に備える保険をはじめ各種保険はもちろん、"人生100年時代"と表現される長寿社会の到来に向けた予防・早期発見の領域にも事業を拡大させている。

現在は新中期経営計画「CONNECT 2020」を推進しており、国内外の生命保険事業およびアセットマネジメント事業の強化を図りながら、イノベーション創出によって業務の利便性・生産性向上に寄与する環境づくりにも積極的に取り組んでいる。

今回お話しを伺った岩元氏が所属する事務企画部は個人保険に関する事務手続き(新規契約・名義変更等契約サービス・保険金・給付金のお支払等)業務全般を統括しており、前述の照会業務の効率化・オートメーション化を推進している。

業務効率化における課題のひとつとして"営業職員からの照会業務を担う事務担当者の業務負荷軽減"がある。岩元氏は「全国の営業オフィスに約2,500人いる事務担当者が書類の作成や複雑な照会業務のエスカレーションなどを行っていますが、効率化を目指す上で事務担当者の業務を本社に集約していくことが必要でした」と語る。

その上、今まで本社で対応していない新規契約に関する照会を含む等、大量の照会業務を行うことが求められ、その解決策として、チャットボットの導入が検討された。「新規契約も含めて照会業務を本社側に集約すると、膨大な人数の事務担当者を確保する必要がありました。その解決策として検討したのがチャットボットでした」と岩元氏。


照会業務の省力化に向けてチャットボットを導入することにより、営業職員はチャットボットとの会話だけで照会結果が得られるようになった。さらに、チャットボットで対応できない内容はすぐに、電話や有人チャットに切り替えられるようにスマートセンターの体制は組まれている。
同センターにおいて、各チャネルからの問い合わせを統合的に管理するための主軸システムとして採用されているのが、FastHelp5だ。


パッケージ製品なのに柔軟に使えるFastシリーズ

スマートセンター開設後は電話とチャットボット両方で応対を可能にするため、コミュニケーター(以下、オペレーター)は、電話・有人チャットにより対応することになる。「営業職員とチャットボットの会話を引き継いでオペレーターが回答する場面もあるため、営業職員の電話番号や社員番号ですべての履歴を管理できなくてはなりませんでした」と岩元氏。

そこで同社が選んだのがFastシリーズであり、中でも問い合わせ履歴が一元管理できるCRMシステムFastHelp5とチャットボットと有人チャットをシームレスにつなぐFastChatだ。 「チャットシステムとCRMシステム等、別々のソリューションを連携すると膨大なコストが発生します。そこでパッケージ化されているFastシリーズに注目したのです」と岩元氏。
同社が既にPoC(≒実証実験)を行っていたチャットボットシステムと連携し、ひとつのインターフェースで完結できるかという点も大きな選定のポイントだった。

さらに、自分たちの業務に合わせカスタマイズができる事を前提に検討していたところ、担当者登録等の設定を行うマスタ管理機能や入力画面の項目の追加等が柔軟に対応できるFastHelp5が高く評価されることになる。「スマートセンター側では新たに照会業務の基盤を立ち上げることになるため、全ての分野の業務を受け入れられるよう、自分たちで開発できる柔軟性を評価しました」と岩元氏。

それだけではない。導入形態として"オンプレミス"を選択できたことも、Fastシリーズを選定した大きな理由のひとつだった。個人情報保護に関するポリシーに則り、個人情報を取り扱うCRMシステムや通話録音システムなどはオンプレミス、PBXやCTI、チャットボットエンジンなどはクラウドでの構築を希望していた同社。オンプレミスとクラウドのどちらも選択可能なFastシリーズは、その要件に合ったのだ。

■図1:照会業務の範囲とシステム利用イメージ

ひとつのインターフェースで完結できるチャット

今回の導入により、全国約4万人の営業職員がタブレット「DL Pad Ⅱ」を経由してチャットできるようになった。チャットボットも有人チャットもまとめてひとつのインターフェースに表示される。さらに、営業職員の電話番号や社員番号がキーとなり、チャットおよび電話の応対履歴が全てFastHelp5上で一連の履歴として管理されており、オペレーター側で状況がまとめて把握ができる。

記録された照会内容は、件数が多いものを適宜チャットボットの応対パターンとして追加学習させていくことで、照会業務のさらなる省力化を進めるべく運用している。また、FastHelp5の機能面を活用し、オペレーターの後処理時はFastHelp5内にナレッジをFAQとして蓄積し共有しているため、その内容を活用することで後処理や回答も速くなり効率的に業務が行える環境といえる。

トライアル期である現在(2020年2月)は一部の営業オフィスで電話・チャットボットのみでテスト稼働をし、1日400件ほどの照会業務が行われている。電話とチャットボットの割合は7:3ほどとなっている。チャットボットは2020年3月末に全拠点に展開しており、約10倍の問い合わせとなる見込みである。

一見すると、チャットボットはあまり使われていない印象に見えるが、岩元氏は「有人で対応が必要になる複雑な問い合わせが多く電話での割合が高いことは想定済みで、設計通りの利用状況となっています。
有人チャット稼働の計画も推進中で、今後デジタルネイティブ世代が増えてくれば、チャットの割合はさらに広がってくるはず」と分析している。
チャットを通じて照会業務が進み、待ち時間や担当者の勤務時間など時間的制約が緩和されるという面で利用者の評判は良い。

「事務担当者の業務負担が軽減されることで働き方改革にもつながるだけでなく、接客などに事務担当者のリソースが割り当てられるなど、お客さまサービスの向上にも貢献する取組みになると考えています。」と岩元氏はつづけた。

テクマトリックスについては、「サジェスト機能(図2)などチャットボットが持つ機能をFastChatに実装いただいただけでなく、チャット時のアイコン変更だけで違和感なくボット・有人どちらのチャットも使い分けられるようなインターフェース改善など、大小様々な要望に対し一緒になって取り組んでいただくことができ大変満足です」と岩元氏は評価する。
また、必要な情報が柔軟に抽出できるなど、照会内容の傾向分析に活用できるFastHelp5の利便性も高く評価しているという。

■図2:FastChatに実装された、サジェスト表示イメージ

RPA活用による業務効率化実績と展望

RPA活用による業務効率化は2019年12月時点で約15.8万時間、約94名分の省力化につながった。今後チャットボットにおいては、FastHelp5内に蓄積された照会内容を分析し、チャットボットのコンテンツを追加することで、 回答率の改善を進めていきながら、全国の営業オフィスでの活用を推進していきたいという(図3)。

「全国に展開すれば、当然ながらチャットボットへの照会件数が急増することは間違いありません。まずはスムーズな立ち上げに注力したい」と岩元氏。最終的には、営業職員だけでなく、スマートフォンから顧客が直接チャットにて問い合わせできるなど、さらなるお客さまサービスの向上を目指し、
FastHelp5を幅広い業務に利用していく構想だ。

RPAによる業務自動化実績

■図3:RPAによる業務自動化実績(2019年12月時点)

スマートセンターの立ち上げやチャットボットの活用拡大による業務効率化が進められているようだが、岩元氏は「Fastシリーズと社内の既存システムや他のシステムをRPAを活用して連携させることで、RPAの業務領域の拡大と書類作成などの事務作業オートメーション化を加速させていきたい」とさらなる進化に向け展望を語った。RPA活用によるイノベーション創出を実現している同社の取り組みから目が離せない。

* 作成日時 2020年6月
* 記載の情報は2020年3月時点のものです
* 2020年6月現在 新型コロナウィルスの感染拡大により出社が抑制され、チャットボットの活用が進み、
 当初想定の1.5~3倍の件数となっている。


第一生命保険株式会社

設立:1902年9月15日
事業内容:個人保険や団体保険など各種保険の引受けをはじめ、有価証券や不動産などに関連した資産運用、投資信託の窓口販売など

お客様担当者

事務企画部
課長

岩元 慎弥氏

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